古希祝いの由来と字の違い

最終更新日:2019/05/13
古希は古代中国から日本へ

古希は古代中国から日本へ

長寿祝いの中で、還暦の次に来る古希祝い。しかし、還暦祝いと比較すると古希の由来やお祝いの方法などをあまり知らないという方も多いのでは。

古希のお祝い方法は他の長寿祝いと同じように、主役の方の体調に配慮しながら場所を選んだり、お祝いの方法を考えたりするのが喜ばれるポイントとなります。

そして、古希祝いの前に、古希の由来や字の違いも知っておくと古希祝いの知識が深まって面白いですし、豆知識として次の世代にも伝えることができるでしょう。

そこで、今回は古希祝いの由来や字の違いについてご紹介します。

 

古希祝いの由来

古希の由来

「古希」の「古」は、古来の「古」、「希」は「まれ」と読み、 めったにはない珍しいことを意味します。つまり「古希」とは、「珍しいほどの長生き」ということになります。

これは、古の中国の詩人・杜甫の「曲 江」という漢詩の中の次の一節に基づいています。古代中国に生きた思想家・孔子の言葉を表した「論語」の中に『人、齢(よわい)七十、これ稀(まれ)なり』という記述があります

日本の一般庶民にまでこの言葉が伝わった理由としては、やはり詩人・杜甫の存在を忘れるわけにはいきません。とりわけ、世の中が安定していった江戸時代は、人々の間で学問や文芸に対する熱意が高まっていった時期。

論語や漢詩などを読み下せることは、武士だけでなく町人にとっても、教養や「粋(いき)」の証にもなっていきました。そんな時代ですから、ご先祖様の時代から読まれ続けてきた有名な詩人・杜甫のことが知られていないはずがありません。

その漢詩はさまざまな形で多くの人々の目にもふれていきました。かくして古希を祝う習慣は、杜甫の詩とともに 庶民の生活にもすっかり根付いていったのです。

ちなみに、そんな江戸時代の平均寿命は、50歳くらいだったと言われています。もちろんそのころの平均寿命を正確に算出するツールもなかったでしょうし、噂としてそのくらいではないかと言われているのですが、現代の平均寿命よりも30歳近く短いですね。

それゆえに言葉自体は中国から伝わったようですが、長寿をお祝いするという儀式もスムーズに庶民に浸透したのではないでしょうか。

 

「古稀」か「古希」か?字の違いについて

古希の字について

「こき」と調べれば「古稀祝い」とあったり「古希祝い」とあったり。 いったいどちらが正しいの?と疑問を持たれたことはありませんか。

正解から言えば、 「現代社会においてはどちらも正しい」。

本来、古希は中国の故事「人生七十古来稀也」からきているため、 「稀」の字が正しかったのですが、「稀」が常用漢字ではなかったため、1946年の当用漢字制定の際に 「稀」の代用として同じような意味を持つ「希」の字が使われるようになりました。

なお余談ですが、 この2つの漢字、形がよく似ているため、「稀」が「希」の旧字だと勘違いされることもありますが、 それは間違い。「稀」のほうは「のぎへん」が表す通り穀物の状態を指す言葉で、「希」は反物の状態を差す言葉。

つまりその関係は新旧ではなく兄弟か親戚関係といったところです。

 

現代でも古希祝いを大切にしよう

現代でも70歳のお祝いを大切にしよう

現代では人生80年と言われるほど昔より長生きする方が増えており、古希を迎える方も若々しい方が多いです。

昔は珍しいほど長生きという由来の古希ですが、現代では医療技術の進歩や食の変化などから長生きが当たり前となりつつあります。

ただ、現代でも無事に古希を迎えることは素晴らしいことであり、周りの方がきちんとお祝いするのが望ましいです。

お祝いの方法は各家庭によって異なりますが、どのお祝い方法でも「きちんとお祝いしたい」という気持ちを表すことが重要です

これからも長生きしてほしいという気持ちとともに、これまでの感謝の気持ちや労いの気持ちを伝える場として古希祝いを大切にしましょう。

古希祝いとその由来