古希祝いの由来と字の違い

最終更新日:2018/02/07
古希は古代中国から日本へ

古希は古代中国から日本へ

「古希」の「古」は、古来の「古」、「希」は「まれ」と読み、 めったにはない珍しいことを意味します。つまり「古希」とは、「珍しいほどの長生き」ということになります。

これは、古の中国の詩人・杜甫の「曲 江」という漢詩の中の次の一節に基づいています。古代中国に生きた思想家・孔子の言葉を表した「論語」の中に『人、齢(よわい)七十、これ稀(まれ)なり』という記述があります

日本の一般庶民にまでこの言葉が伝わった理由としては、やはり詩人・杜甫の存在を忘れるわけにはいきません。とりわけ、世の中が安定していった江戸時代は、人々の間で学問や文芸に対する熱意が高まっていった時期。

論語や漢詩などを読み下せることは、武士だけでなく町人にとっても、教養や「粋(いき)」の証にもなっていきました。そんな時代ですから、ご先祖様の時代から読まれ続けてきた有名な詩人・杜甫のことが知られていないはずがありません。

その漢詩はさまざまな形で多くの人々の目にもふれていきました。かくして古希を祝う習慣は、杜甫の詩とともに 庶民の生活にもすっかり根付いていったのです。

ちなみに、そんな江戸時代の平均寿命は、50歳くらいだったと言われています。もちろんそのころの平均寿命を正確に算出するツールもなかったでしょうし、噂としてそのくらいではないかと言われているのですが、現代の平均寿命よりも30歳近く短いですね。

それゆえに言葉自体は中国から伝わったようですが、長寿をお祝いするという儀式もスムーズに庶民に浸透したのではないでしょうか。

「古稀」か「古希」か?

古希の字について

「こき」と調べれば「古稀祝い」とあったり「古希祝い」とあったり。 いったいどちらが正しいの?と疑問を持たれたことはありませんか。正解から言えば、 「現代社会においてはどちらも正しい」。

本来、古希は中国の故事「人生七十古来稀也」からきているため、 「稀」の字が正しかったのですが、「稀」が常用漢字ではなかったため、1946年の当用漢字制定の際に 「稀」の代用として同じような意味を持つ「希」の字が使われるようになりました。

なお余談ですが、 この2つの漢字、形がよく似ているため、「稀」が「希」の旧字だと勘違いされることもありますが、 それは間違い。「稀」のほうは「のぎへん」が表す通り穀物の状態を指す言葉で、「希」は反物の状態を差す言葉。 つまりその関係は新旧ではなく兄弟か親戚関係といったところです。